立ち食いソバ屋でホストのムチャな注文に店内の空気がドン引きした話

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ども、がく(@oskgaku)です。

ウチは共働きなんで、嫁が仕事で帰りが遅いときも当然ありまして、
そんな時はお互い適当に晩御飯を食べたりします。
そんで、そんな時わたくしは、一刻も早くガンプラを作りたかったりするので、
適当に駅前の立ち食いソバ屋さんでソバかうどんなんかを食べたりします。
チャッチャッと晩飯食べて、シュッシュッとガンプラのパーツのやすりがけをしたいのですよ!
そんなワケで安くてすぐに食べれる立ち食いソバ屋さんは非常にありがたい存在。
とはいえ、昨今の立ち食いソバ屋さんを侮るなかれ。
「安かろう不味かろう」なんてのは一昔前。
最近の立ち食いソバ屋さんのお味はハイクオリティ!
あ、今日の話は立ち食いソバ屋さんのクオリティの話ではないんですよ。
立ち食いソバ屋さんで出くわした客、ホストの話。
その日は寒い日で、わたくしは速攻でかき揚げうどんを注文しておりました。
食券だしてからわずか30秒でかき揚げうどんがでてくるこのシステム。
素晴らしい!!
こち亀の中川のスーパービジネスマンのお父さんも昼飯に利用していた立ち食いソバ屋。
こんなにすぐ注文したうどんがでてきてこのハイクオリティな味。
もうガンプラおっさんの強力な援護射撃をしまくってくれてます。
弾幕が超濃いですよ!
ともかく、ズルズルとうどんを堪能していると、後から来たお客さんのオーダーが耳に入りました。
「温かい天ぷらソバ、ネギ多めで」
はい、きました。
この「ネギ多め」
ってアリなんですか?(^^;)
トッピングかもしれませんけど、ネギ多めって・・・。
だって、パフェ頼むとき
「アイス多めで」
って言いますか?
言いませんよね?
え~と、ちょっと例えにムリがありましたね。すいません。
とはいえ、42歳おっさんとしてはちょっと違和感。
だって、ソバやうどんって、ネギの量も加味した価格設定なんですよね。
まぁネギの値段にして、客ひとりがネギちょっと多めに注文したってさほど変わりはしないかもですが、
みんながみんな、ネギ多めに注文したら、ネギを客に提供する量がめっちゃ多くなるやん!
ネギの適正量とソバの適正量とつゆの適正量の値段が、提示している適正値段ちゃうんか!
ちゃうんか!
熱くなってすみません・・・。
このネギのオーダー、いつも気になっていたものですから。
とはいえ、こういうお客さんは非常に多いでしょうから、実際のところは
「ネギ多め」
を加味した値段を設定してるかもですからね。
わたくしは飲食店で仕事した経験ないからこのあたりのことはよくわからないのですがね。
まぁネギの量をオーダー時に指定するのはよしとしましょう。
しかし、わたくしが出くわした客はそんなモノではなかった。
その日は10畳くらいのスペースに客がわたくし含め3人ほどおりまして、
みんな静かにズルズルとうどんorソバを食べておりました。
そんなとき、引き戸の入り口を思い切り開けて入ってくる客。
「バターン!!」
という音が店内に響き渡ります。
お客さんと店員さんが一斉に入り口を見ましたわ。
白い革靴。
青地に白いストライプが入ったスラックス。
白いYシャツ。
胸元を開け、首には金のネックレス。
そのいでたちは山田洋二監督の映画作品にでてくるような
典型的なチンピラ。
「こんないでたちなチンピラ、平成も28年すぎた現代におった?」
と誰もがツッコミたくなるようないでたち。
さらにスゴイのは、そのいでたちで年は明きからに40歳を超えてます。
顔日焼けしており、頭は金髪。
本田圭佑よりも金髪ですわ。
髪の長さは「ひとつ屋根の下」時代の江口洋介くらいに、長い。
もう昭和すぎる、というのを通り越して
「もしかして、新しいんじゃね?」
くらいなもんです。
この金髪のおっさん、おそらくホスト。
間違いなくホスト。
この年でホスト。
趣味でこの格好をしているワケではなく、仕事としてこの格好しているのだ。
どうやら駅前で仕事帰りの女性をその手の商売にスカウトをしているようです。
いでたちの説明が長くなりましたが、
ともかく、その金髪おっさんは引き戸のドアを思い切り開け
「いや~、今日はやる気でないわ。今日だけはリームー」
と明らかに誰かと話す声の大きさの独り言を言ってます。
どうやら常連というワケでもなさそう。
その金髪おっさんが食券をだし、
「かけうどん、よろしく!」
と試合前の掛け声レベルで注文しました。
当然、この食券をだすまでの一連の所作で、客、店員たちは、すぐ後ろにゴールがあるんじゃね?っていう最終ディフェンスラインくらいひきまくっております。
そして、当然予期できるあのフレーズを発しました。
「ネギ、多めでね!!」
かけうどんでネギ多め。
卑怯?見苦しい?当然の権利?
そんなことをわたくしの脳裏は駆け巡ります。
かけうどんがいけないワケではないんですよ。
メニューにありますからね。
実際のところ、わたくしだって、
「今日はちょっと胸やけが」
というときは、かけうどんを注文してトッピングを頼まないときだってありますよ。
けども、かけうどんで「ネギ多め」は言えない。
かけうどんはかけうどんであって、そこに添えらているネギを甘んじて食べるべし。
むしろ
「ネギ、添えていただき、ありがたき幸せ。身命を賭してお仕え致します」
くらいなもんですよ。
そのネギを多めだと!!!
むしろ、強者。
スタンドがサウザーなんじゃね?くらいなもんですよ。
しかし、そのスタンドにサウザーを持つ金髪おっさんはそれで終わりませんでした。
おもむろにこう言ったのです。
「麺、アッツアッツのアツアツでね」
な、なに?なんですと?
え、いまのどういうこと?
店内の客、店員、全員の空気が金髪おっさん以外は一致しました。
甲子園の決勝で、明らかにサヨナラホームランなのに、審判が「ファール!」
と言ったぐらい、客と店員が耳を疑いましたともさ。
麺をアッツアッツのアツアツとはいかに?
もしかすると、立ち食いソバ屋さんに入ったことのないお嬢様たちもこのブログを見てるかもしれませんから
一応立ち食いソバ屋さんのうどんorソバの作り方を説明しますと
大きな鍋に、お湯がはってありまして、そこで麺を茹でまして、水切りをして、大きな鍋に温めてあるツユを
うどんの器に入れまして、水切りした麺を入れるワケです。
この工程で、麺だけを単独で「アッツアッツのアツアツ」にするなんて超絶手間かかるワケですよ。
熱湯を用意するか、茹でた麺を電子レンジにかけるか、とか。
店員のおばちゃんも、そのオーダーを受け
「え~と、ちょっと待ってくださねぇぇぇどうしましょぅぅぅ」
と語尾が小さくなってます。
後ろの方で他の店員と相談を始めました。
一方、無茶な注文をしたスタンドにサウザーを持つ金髪おっさんは
さも当然なオーダー、という感じでガラケーをいじって待っております。
店員のおばちゃんはたまらず
「アッツアッツのアツアツ、というのはどれくらい・・・」
アッツアッツ、はいらないんじゃね?とわたくしは心の中でツッコミつつ、経緯を見守ると金髪おっさんは
「長めに茹でてよ、よろしく!」
とサラっと言い放ち、再びガラケーをいじりはじめました。
長めに茹でるのが、アッツアッツのアツアツだったんかい!!
もはや素晴らしい表現力。
金髪おっさんにとって、長めに麺を茹でてよね、というのは、アッツアッツのアツアツ、だったワケですね。
42歳のおっさん、この一連のやりとりを見て、こう思いました。
「客は神様なんかじゃない、だから、店員さんはムリなことをムリって言っていいんだ」
金髪のおっさんは、ネギが多めのかけうどんを、思い切りすすりながら食べ、
「ごっさんごっさんごっさ~ん」
と上機嫌で帰っていきました。
ラオウのスタンド持ってるよね、もはや。
わたくしは、とっくに食べ終わっていたうどんの器をカウンターに戻して帰りました。
ひとは、涙の数だけ強くなれない。