この記事の対象者
【エアブラシ初心者】

ども、がく(@oskgaku)
です。
エアブラシ塗装でよくやってしまう失敗「液垂れ」。これ、どうすれば回避できるのかしら。
何故に液垂れしてしまうのか?
失敗の原因は多々あれど、初心者がやりがちな主な原因は
希釈が薄すぎ。

薄いなら濃くしろ。

そう単純にはいかないのがエアブラシ塗装の希釈。
わたくしのような初心者は特に気をつけなければイケません。
エアブラシ塗装の液垂れ失敗原因、主に以下5つの「やりすぎ」が考えられます。
- 希釈が薄すぎ
- エア圧強すぎ
- 噴出量多すぎ
- パーツとの距離近すぎ
- エアブラシを動かすスピードがゆっくりすぎ
でも、これらが全てではないのです(難しいですねw)。
初心者が最初にケアすべきは以下2つ。
・エアブラシ初心者は撹拌・希釈を気をつける
・最初の希釈は薄めより濃い目の方がマシ
これらを心がけるだけでかなり失敗が減らせる!しかもワリと簡単!
今回はこの心がけを実践したレポートです。

同じような状況で、同じ悩みを抱えている方々の解決の一助になれば幸いです。
液垂れ回避の方法、希釈以外にもエア圧やニードルアジャスターの調整など多々ありますが、今回は希釈のみに着目です。
目次
エアブラシ塗装の希釈は難しい?

液垂れの主な原因は「希釈が薄すぎ」なこと。
希釈が薄いと液体としてはシャバシャバ。
塗料の粘度も弱いですから、どうしたって垂れてくる。
これは物理的な問題。
「薄いなら濃くすればイイ。」
という発想になりますが、これが案外難しい。
プロフェッショナルな鋭之介・初代・日野さまでさえ、適正濃度まで何度も試しているとか。
ここに至り、遂に最適濃度達成である。(ここでは割愛しているが実際にはかなり多くの回数失敗している 笑)。
引用-初代のプラモ制覇!!電ホビ版第5回――解放!!エアブラシ希釈の呪い! | 電撃ホビーウェブ
液垂れしない適正濃度の実現。
難しそうだが、何度も試してやるしかない。
エアブラシ塗装の適正希釈率はどれくらい?
塗料メーカーが提示している希釈率はどれくらいなのか。
GSIクレオスとガイアノーツのwebサイトを調べてみました。
大事なのは、両者とも薄め液の希釈度合いについては「目安」と記載されているところ。

人それぞれで、使ってる道具も違うし仕上げたい塗装も違いますからね。
塗料だって、新品でさえそれぞれ状態が違う(これも大事なポイント)。
ではまずGSIクレオスのwebサイトを拝見。
エアブラシ塗装の場合はうすめ液を2~3倍を目安にして薄めてください。
引用-よくあるご質問 | GSI クレオス Mr.HOBBY
次はガイアノーツ。
エアーブラシの場合塗料1に対して薄め液2から3の割合。メタリックカラーの場合は若干多めに溶剤を入れてください。
引用-ガイアノーツ – Q&A (よくあるご質問)

たいていは「塗料1:薄め液2~3」ですね。
サーフェイサー塗装の希釈をナメてはイケない
今回の液垂れ失敗、塗料は「サーフェイサー」。
▲サーフェイサーは普通の塗料に比べて粒子が大きめ。「ガイアノーツ:ピンクサフ」
粒子が大きいということは、希釈も普通の塗料よりちょい薄めにする必要がある。

でも薄めに希釈しすぎると液垂れしちゃう。
う~ん、難しいw
最初は濃いめの希釈から

では、ピンクサフを希釈していきます。
普通の塗料、希釈率の目安はこれくらい。
塗料1:薄め液2~3
でも、サーフェイサーは若干多めに薄め液を入れる。
さて、ここでいきなり若干多めに薄め液を入れると
「液垂れ」
の失敗をするワケです(今回の失敗がこれ)。
ここはひとつ、柚子肌になるのを覚悟で
塗料1:薄め液1
という具合に希釈します。
それでもし、濃いようであれば薄めていく。
このやり方であれば、失敗は少ない。
「薄め回避、濃い方がマシ」
という心持ちで希釈です。

その後、試し吹きで濃ければちょっとずつ(スポイトで2滴3滴とか)薄め液を足す。
これを繰り返していくのが無難。
では早速実践!
といきたいところですが、液垂れの失敗要因は他にもあるのでそれも確認します。
他の液垂れ失敗原因とその対策

冒頭でも記載しましたが、エアブラシ液垂れの失敗原因で考えられるのは以下。
- 希釈が薄すぎ
- エア圧強すぎ
- 噴出量多すぎ
- パーツとの距離近すぎ
- エアブラシを動かすスピードがゆっくりすぎ
これらについて、具体的な対策を確認します。
1.希釈が薄すぎ
についてはここまでやってきたこと。
2.エア圧強すぎ
→エア圧が強いとたくさん塗料がでちゃいます。0.08Mpaくらいを心がけ。

ただ、エア圧が弱すぎると綺麗なミスト状で噴出されないので、1.5Mpaくらいでもいいかも。
そのあたりは試しながら様子見。
3.噴出量多すぎ
→噴出量多いとたくさん塗料がでちゃいます。エアブラシのニードルアジャスターの開きを半分以下に。
4.パーツとの距離近すぎ
→エアブラシとパーツの距離が近すぎると塗料がたくさんパーツに付いちゃいます。10cm以上は間隔離す。
5.エアブラシを動かすスピードがゆっくりすぎ
→エアブラシの動きがゆっくりだと同じ箇所に塗料がたくさん付きがち。適度にゆっくり。一点集中砲火回避。
これらは目安として設定。
その後試し吹きしで様子を見て、適正濃度に近づけます。
液垂れ回避実践1)塗料をキッチリ撹拌
液垂れ対策は確認できた。
では実践!

希釈前に塗料瓶の中身を死ぬほど撹拌します。
撹拌をキッチリやらないと、そもそも塗料の濃度が安定しない。
極端な場合、塗料瓶の底の方ドロドロで上の方がサラサラ状態。
それだと希釈の割合も、毎度変わって安定しませんからね。
その撹拌もむやみに瓶を振り回してはダメ。
攪拌棒や調色スティックで撹拌すること!(撹拌球は避けた方が無難)
ガイアカラーをご利用頂きまして誠にありがとうございます。ガイアカラーを撹拌する際には撹拌棒などを使用してゆっくり、しっかりかき混ぜてください。撹拌球(鉄球)を使用すると瓶の底が破損して割れる可能性がありますのでご使用しないでください。
引用-ガイアノーツ

以前、割り箸を使ってカスがたくさん塗料に入ってしまった苦い思い出。
液垂れ回避実践2)1:1の希釈
上述してきたとおり、まずは
塗料1:薄め液1
で希釈します。
塗料1cc、うすめ液1cc
という具合に掬って希釈すればヨシ。

上級者は目安で計量できますが、初心者はその塩梅がよくわかりません。
なので、正確に1:1にできる計量スプーンはありがたい。
はい、計量スプーンで塗料を掬います。
▲1ccなのでたいていの塗料瓶にダンク出来る。
次に薄め液を計量。
▲こちらはスポイトを利用。
まずはこの希釈度合いで吹き付けてみます。
液垂れ回避実践3)エア圧調整
使うエアブラシ口径は0.5mm
▲タミヤの「エアーブラシシステム No.23 スプレーワーク HG エアーブラシワイド トリガータイプ 74523」
液垂れ回避実践4)エア圧調整
液垂れ回避実践5)試し吹き
これらの条件で、プラスチックのスプーンに吹き付けてみた(これは絶対やること!)。
柚子肌とまではいかないけど、ミストの粒が大きいような。
▲画像ではわかりづらいかもですが、少々ザラつきが(触るとわかる)。
そう思うと、逆に柚子肌になるってよっぽど希釈が濃いのかもですねぇ。
液垂れ回避実践5)1:1.5で希釈
この塗膜であれば、あとホンのもう少し薄めればよさげ。こんな具合。
塗料1:薄め液1.5
先程紹介した「初代のプラモ制覇!!電ホビ版第5回――解放!!エアブラシ希釈の呪い! | 電撃ホビーウェブ」では、エアブラシのカップにダイレクトに薄め液入れてましたね。

これはマジで便利。微量コントロールが超簡単にできる。
私のマストアイテム。
カップ内の撹拌は「うがい」。
ノズルキャップを少し緩める方法で私はやっています。
※参考動画
撹拌後、最初の吹き出しは先程のちょい濃い目の塗料が残っているだろうから吹き捨てます。

まぁ兎にも角にも液垂れすることもなく、綺麗な塗膜で吹き付け出来ました。
前提条件はそれぞれ違う
とはいえ、少々釈然としない。
何故かといえば、塗料メーカーのwebサイトには希釈度合いはこれ。
塗料1:薄め液2~3
今回、わたくしの希釈はこれ。
塗料1:薄め液1.5
しかも使った塗料はサーフェイサー(薄めに希釈しないとイケないはず)。
ベストな希釈具合が、何故にこれほど違ってくるのか?
それは使ってるエアブラシ、エア圧、塗料、技量などが影響してきてるハズで。
主な要素は塗料かも。
さらにもっと遡れば、撹拌具合も影響するワケで。

やっぱり、塗装の前に何度も何度も吹き付けを試さないとダメですね。
ちなみに、一応、
塗料1:薄め液2~3
を試してみましたが、やっぱり液垂れしちゃいました。
まとめ

エアブラシ塗装の液垂れ失敗、今回は主に希釈を改善してみました。
エアブラシ塗装において重要なのは、目指す塗膜は何なのか?
そこをキチンと明確にするのが大事ですね。
今回のワタシの場合、まずは柚子肌塗膜、液垂れ塗膜を回避。
そして均一なフラットな塗膜を目指した次第です。
ガンプラエアブラシ塗装道は長く険しいw
今後も精進していきます。
ガンプラ製作進捗やマテリアル紹介をツイート。
がく(@oskgaku)