がく
今回はアルゴファイルの「DTファイル テーパーダイヤヤスリ」をご紹介します。
わたくしは、このテーパーダイヤヤスリをガンプラのゲート処理、整面、エッジ出しなどに使ってます。
主に、エッジ出しの金属ヤスリとして気に入ってます♪
順を追って説明していきますが、まずはメリットとデメリット。
- 高い切削性
- 削り面が綺麗
- エッジ出しに便利
- 高すぎる切削性
- 削りカスがすぐ詰まる
- 削りカスが取りづらい
- 隣り合った面も削れちゃう
単目や複目の金属ヤスリの場合、ゲート処理には便利ですが、整面には不向きだったりします。
テーパーダイヤヤスリなら、削り跡が超密度の微細な表面なのでゲート処理しつつの整面も可能。
目次
テーパーダイヤヤスリとは?
▲わたくしは、400番手を5mm幅と10mm幅、2つ所有してますw
今回レビューする
「アルゴファイルのDTファイル(テーパーダイヤヤスリ)5mm幅#400」は
ダイヤがついてるヤスリ、って事ですね。
ダイヤヤスリ
との記載ですが、まぁ
ダイヤモンドヤスリ
と言い換えて良いかと。
「ダイヤモンドがついてるヤスリ、やべぇ」
と騒ぐやつな。
ダイヤモンドヤスリ、工作しない人には馴染みのない呼称。
アルゴファイルのwebサイトに掲載されているPDFファイルカタログには、以下のように説明が記載されています。
テーパーの先端50mmにダイヤモンドが電着されており、リブやエッジの研磨に最適です。
引用-アルゴファイル総合カタログVol3
聞きなれないキーワードやな。
電着とは、液槽のなかで金属製のシャンクに電気をかけめっきによってダイヤモンドやCBNを表面に接着する技術です。
引用-電着/ダイヤモンド電着とは | 機械部品VA・VEドットコム
「金属製のシャンク」とは、ダイヤモンドヤスリでいえば、いわゆる「棒」ですよね。
参考工具でいうシャンクの意味|ダイヤモンド砥石の専門情報サイト
「棒」にダイヤモンドの粒子を電着で固定した道具、って事ですね。
参考製品情報 電着工具 電着工具の特徴|株式会社 アイゼン
これらを理解した後であれば、Wikipedia先生の「ダイヤモンドやすり」の説明記載がよくわかります。
ダイヤモンドやすり(ダイヤモンド鑢、ダイヤモンドヤスリ)は特殊金属(ニッケル等)を用いたメッキ法(電着という)によりダイヤモンド、またはボラゾン(立方晶窒化ホウ素、別称CBN)砥粒をスチール製の台金(つまりヤスリの形をしたベース)に結合させたやすり。大変結合力があるので突出量を大きくでき、また表面の集中密度が高いので良好な切削性を発揮する。
引用-ダイヤモンドやすり – Wikipedia
表面の集中密度が高いので良好な切削性を発揮する
との記載がある通り、ダイヤヤスリはその切削性の高さが特徴ですね。
ダイヤヤスリの使用目的としては、主に硬質材の研削加工のようですね。
・超硬合金、焼入鋼、セラミックス、ガラス、強化プラスチックなどの硬質材の研削加工に最適です。
・ダイヤモンド砥粒がヤスリ台金に強固に保持されているため、最初の鋭い切れ味を最後まで保持します。
引用-ダイヤモンドヤスリの種類と特長 【通販モノタロウ】
これ、そもそもプラスチック用のヤスリとは違うんちゃうか?
こんなんガンプラに使ってエエんか?
これでガンプラのパーツをヤスリがけなんぞしたら、削りすぎて形が変わってしまうで!エエんか!
まぁともかく、ダイヤヤスリの特徴としては
- 金属の棒に、ダイヤモンドの粒子がビッシリと貼り付いてるヤスリ。
- その粒子の密度が高いので、切削能力も高い!
という感じでしょうかね。
(厳密な工具の定義としては違うかもですが、まぁガンプラに使う工具の認識としてはこの程度でよいかとw)
アルゴファイルテーパーダイヤヤスリの概要
▲わたくしの持っているアルゴファイルのDTファイル(テーパーダイヤヤスリ)5mm幅の400番です
アルゴファイルのwebサイトに掲載されているPDFファイルカタログには、以下のように記載れています。
Diamond Files(Taper Point)
引用-アルゴファイル総合カタログVol3
Taper=先細り
つまり、先細りのダイヤモンドヤスリですね。
なぜテーパー(先細り)なのか
先細りの理由については、モデラーさんお馴染みのスジボリ堂さんのwebサイトが参考になります。
ヤスリが薄型であることからしなってしまうため、うまく力が伝わらず綺麗に切削できなかった経験があるかと思います。
そのような問題を解決するのがテーパーダイヤモンドヤスリです。
先端の厚みは0.5mmと極薄ですが、徐々に厚くなっているため、相当な力を入れてもしなりません。
平で厚みの薄い金属ヤスリだと、どうしても「しなり」がでてしまい、パーツに力が伝わらない事も。
▲スジボリ堂の「薄刃鬼斬」、削り跡は綺麗ですが、しなりはでちゃいますね
先細りの形状にする事で、強度をだしているんですね。
テーパーダイヤヤスリのサイズ
わたくしは、テーパーダイヤヤスリは2種類持ってます。
5mm幅と10mm幅です。
2つのテーパーダイヤヤスリのサイズなどの概要は以下の通り(幅と重量が違うだけです)。
製品名 | DTファイル(テーパーダイヤヤスリ)5mm |
重量 | 11g |
長さ | 150mm |
幅 | 5mm幅 |
厚さ | 2.4mm |
先端の厚さ | 0.5mm |
製品名 | DTファイル(テーパーダイヤヤスリ)10mm幅 |
重量 | 27g |
長さ | 150mm |
幅 | 10mm |
厚さ | 2.5mm |
先端の厚さ | 0.5mm |
※概要の表はアルゴファイルのwebサイトに掲載されているPDFファイルカタログを参考にしています。
アルゴファイル総合カタログVol3
手に持った感触としては、負担は感じない重さ。
▲5mm幅、指先で持ち上げられます(10mm幅も同様です)
ダイヤヤスリ、滑る事もなく、手にフィットしますね。
▲10mm幅は27g。しなりをなくすため、強度を保つためには、ある程度は重くなってしまうかと
▲参考までにGSIクレオスの「匠之鑢・極 雲耀 半丸平行単目 MF15」も量ってみる。14g。平均的にはこんなものかと。
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持ち手以外には、全ての側面にダイヤモンドが電着されています。
テーパーダイヤヤスリのメリット
- 高い切削性
- 削り面が綺麗
- エッジ出しに便利
高い切削性
先述しましたが、ダイヤヤスリの主な使用目的は硬質材の研削加工。
プラスチックなら問題なくサクサクと削れます。
とはいえ、切削力だけに着目するならば、ガリガリと削れる複目の金属ヤスリの方が上。
ただ、その分、削った跡は汚いです。
このあたりは使い分けですが、ガンプラのゲート処理程度であれば、テーパーダイヤヤスリでも十分削れる、というのがわたくしの見解です。
削り面が綺麗
そして、ダイヤヤスリのメリットで一番トップとして挙げたいのは、その削り面!
ダイヤヤスリはダイヤの粒子がたくさん電着(集中密度!)しているので、他の金属ヤスリとは違う滑らかで細かい削り跡ですね。
超密度の微細な削り跡!ですね。
▲クラフトヤスリPRO(平・6mm幅)の削り跡。まぁ波目なので削り跡としてはこれくらいは仕方ないところ。
▲GSIクレオス匠之鑢・極 雲耀 半丸平行単目の削り跡。十分綺麗な削り跡ですが、ちょっと薄傷が見えたりします。
▲スジボリ堂の薄刃鬼切の削り跡。薄刃なのでしっかり削るのがちょいムズ。
ダイヤヤスリの削り跡は、単目の金属ヤスリに比べ細かく密集された感じですね。
削った筋が付かない分だけ、綺麗に感じられます。
エッジ出しに便利
切削性もあって、削り跡も綺麗なダイヤヤスリは、ガンプラのエッジ出しにも便利。
でも、エッジ出しする時には注意が必要。
エッジ出しをする場合は、テーパーダイヤヤスリで削る方向は1方向のみ。
1方向のみ削れば、エッジ出しはシャープに綺麗に決まります。
▲往復させると削り跡も汚くなるし、シャープさも失われます
削り跡が微細な面を表現してくれるので、他の金属ヤスリにはないエッジになります。
切削性もありますから、2~3回削るだけで、シャープにビシっとエッジ出しが決まります。
テーパーダイヤヤスリのデメリット
- 高すぎる切削性
- 削りカスがすぐ詰まる
- 削りカスが取りづらい
- 隣り合った面も削れちゃう
高い切削性
メリットには
「高い切削性」
と記載しておきながら、
デメリットには
「高すぎる切削性」
と記載w
ダイヤヤスリはその切削性の高さゆえに、
「諸刃の剣」
と言えるのかもしれません。
エッジ出しも、慣れていないといびつな形に削ってしまう可能性が・・・。
削りカスがすぐ詰まる
高い切削性のメリットがあるという事は、それだけ削っているという事。
となれば、削りカスもそれ相応に出るワケです。
テーパーダイヤヤスリ、ダイヤの粒子が集中密度で電着されてるがゆえ、それ相応の削りカスが溜ります。
削りカスが取りづらい
そして、ダイヤの粒子が集中密度で電着されてるがゆえ、削りカスが取りづらいです(^^;)
普通の金属ヤスリならば、メラミンスポンジで軽く擦ってあげれば削りカスがとれます。
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もしくは歯ブラシで擦る。
▲ダイヤヤスリも、歯ブラシやメラミンスポンジである程度は削りカスが取れるのですが結構大変
ダイヤヤスリはメラミンスポンジでも、中々に取りづらい。
そこで、ダイヤヤスリの削りカスが取りやすいアイテムとして紹介するのは、100均のすべりどめシート。便利。
ガンプラのヤスリがけ作業で、金属ヤスリに詰まった削りカス、100均ダイソーのすべりどめシートを適当な大きさにカットしてモミモミするだけで、結構とれます♪ pic.twitter.com/kig71p3aJB
— がく@ガンプラ筆塗り修行中 (@oskgaku) May 17, 2020
ちょっと強めにグリグリと握るようにしてやれば、削りカスが取れます。
隣り合った面も削れちゃう
DTファイルテーパーダイヤヤスリは持ち手以外はダイヤモンドの粒子が電着してます。
そのため、隣り合った面などをヤスリがけすると、そちらも削ってしまうワケです。
▲こんな部分のヤスリがけには不向き
隣り合った面のパーツをヤスリがけする時は、ゴッドハンドのかまぼこヤスリが便利です。
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ダイヤヤスリの便利な使い方
ここからは、わたくしのダイヤヤスリの使用方法をご紹介します。エッジ出しに使います。
マジで。
何の実績も技術もない40肩の万年腹痛持ちオッサンのダイヤヤスリ使用方法を知って、どうなる?
ティッシュ1枚分の薄さの10分の1くらいの多少の参考な、と仰られましたw
まぁそうかもなのですが、それでも、どなたかのお役に立つならば(^^;)
ダイヤヤスリをエッジ出しに使うのって、個人的にはオススメなのです。
試しに百式の腰部パーツをエッジ出ししてみます。
▲わかりやすくサフを吹き付けてます
切削力があるので、2~3度ヤスリがけすれば十分かと。
エッジはビシっとシャープにヤスリがけ出来ました。
▲ヤスリがけ跡も、微細な削り面で整ってます
比較するとこんな具合です。
▲エッジ出しした方がシャープ(撮り方の角度が違うので形が違って見えるのはご容赦くださいw エッジ部分だけ見てもらえればと)
400番だと、人によっては綺麗な仕上がりを求めるには、不十分かもしれません。
そんな人は、さらに細かい番手の600番で仕上げても良いですね。
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ダイヤヤスリがオススメなのはこんな人
ダイヤヤスリは金属ヤスリの扱いに慣れている方向け(ガンプラ製作においてね)。
金属ヤスリの扱いに慣れていて、削り作業を時短でやりたい、エッジ出しをサクッと仕上げたい、そんな人にオススメです。
パーツ面の幅に合わせて、10mm幅、5mm幅などを揃える事が出来れば、さらに作業効率はアップしますね♪
10mm幅のダイヤヤスリなら、一気に全体をエッジ出しと整面が出来ちゃいますね。
DTファイルテーパーダイヤヤスリレビュー|まとめ
今回はDTファイルのテーパーダイヤヤスリをレビューしました。
テーパーダイヤヤスリの特徴は、何と言ってもその超密度の微細な削り面。
綺麗な削り面に仕上げる事が出来るのに、切削力もある優れもの。
めっちゃ削りたければ複目の金属ヤスリでも使えや。
HGサイズのガンプラならば、ゲート処理とエッジ出しと整面を同時に出来ちゃう金属ヤスリです♪
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- 高い切削性
- 削り面が綺麗
- エッジ出しに便利
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- 削りカスがすぐ詰まる
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