ども、がく(@oskgaku)
です。
初めてスミ入れ塗料を使う人
ガンプラで初めてスミ入れに挑戦するとき、マテリアルを調べ始めると色々ありすぎてよくわかりませんよね?
▲多くのモデラーさんが使っているご様子のタミヤスミ入れ塗料が良さげ、というのはわかったがこれはなんぞ?
いざ使ってみようと思ってもどうやって使っていいのかよくわからず。
わたくしも最初はスミ入れ塗料が何なのかよくわかりませんでした。
その経験から今回は初心者向けに、タミヤの「スミ入れ塗料」の使い方についてです。
スミ入れ塗料の瓶に記載されている「使用上の注意」をもとに説明していきます。
参考程度に、読んでいただければ幸いです。
- スミ入れ塗料
- 溶剤X-20
- クラフト綿棒 三角 Sサイズ
タミヤのスミ入れ塗料とは?
タミヤの「スミ入れ塗料」はエナメル塗料。
そして、
エナメル塗料を溶剤(薄め液)で薄めてある製品
です。
以下、詳細を記載していきます。
スミ入れ塗料にはエナメル塗料が入っている
ではまずエナメル塗料について。
スミ入れ塗料の成分を確認してみます。
エナメル塗料といえば、模型店でよく見かける小瓶のがありますね。
これもエナメル塗料なんです。
ただ、スミ入れ塗料と違って溶剤でほとんど薄められてないノーマルなエナメル塗料。
▲ラベルを見ると「有機溶剤」との記載があるので、多少は薄められているかと。
スミ入れ塗料には溶剤も入っている
このエナメル塗料を拭き取ったり、さらに薄めたりするときに使うのが溶剤です。
スミ入れ塗料には、ノーマルなエナメル塗料と違ってたくさんの溶剤が入って薄められてます。
これは、スミ入れ塗料を流れやすくするためです。
ガンプラなんかでスミ入れする目的は、スジ彫りした箇所にスミを流すため。
▲こんな溝に、
▲スミ入れしますよね。
もしエナメル塗料だけでスミ入れした場合は、スミがスィ~と流れていかないんです。
でも、溶剤を入れてエナメル塗料を薄めてあげるとスィ~っと綺麗にエナメル塗料が伸びます。
溶剤にはそのような特性があります。
でも、エナメル塗料でスミ入れするとき、都度、
・エナメル塗料
・溶剤
をイチイチ薄めるのは面倒。
「あからじめ、エナメル塗料を溶剤で薄めておいてくれればエエやないけ。」
と思うユーザーもいるワケです。
そんなユーザーの気持ちを汲み取った製品が「スミ入れ塗料」なワケですね(そういう流れでタミヤが開発したと思われます、たぶんw)。
さて、この「スミ入れ塗料」を上手に使いこなすには、もう少し「エナメル塗料」とその専用の「溶剤」についても理解が必要です。
そんなワケで、まずは「エナメル塗料」について。
エナメル塗料の特徴
わたくしは塗料メーカーの人間でもなければ、エナメル塗料の研究者でもない。
エナメル塗料の詳細な成分とかはよくわらんので、wikipedia先生に頼ります。
長文、読むのがツライ(特に興味がない場合は読み飛ばしてよいかと)。
事実上、国産唯一の模型用エナメル塗料である。アクリル塗料より筆の伸びが良く発色も良好、また乾燥時間が長いのでムラが出にくく、綺麗な光沢面が出せるが、耐候性に弱く塗膜が剥がれやすい。下地に塗ったアクリル塗料の塗膜にほとんど影響を与えないので、重ね塗りが簡単である。また溶剤で粘性がなくなるくらいに薄めた塗料を流し、模型の凹凸を表現するスミ入れ(ウォッシング、シェイディング)にも良く用いられ、スミ入れ塗料用として予め薄められた専用品も4色ほどある。ただしガンプラ等のスミ入れに使用した際に、溶剤の浸透によりプラスチックが劣化し、ひびが入る等の事態も生じている。
ふむふむ。その他、ググったり、本なんかを読んで色々と調べてエナメル塗料の特徴をまとめますと以下のとおり。
- 筆塗りに向いている
- (伸び、発色が良いので)
- (筆ムラがでにくいので)
- 下地の塗料を侵しにくい
- 乾燥には時間がかかる
- スミ入れ向き(溶剤で薄める)
- 溶剤の浸透でパーツが破損(ひび割れ等)してしまうこともある
※最後の項目、大事なので太文字にしました。
エナメル塗料の溶剤がパーツを割ってしまう事も?!
エナメル塗料の特徴、
「溶剤の浸透でパーツが破損(ひび割れ等)してしまうこともある」
これ、怖いですねw
これはエナメル塗料の溶剤の特性のためです。
その特性性質として、
パーツに浸透すると劣化してヒビが入ったり割れてしまったりすることがある
らしいです。
ならば、溶剤を使わなければよい、と思ってしまう。
でも、先述したとおり、溶剤を使わないとスミが綺麗にスィ~と流れていってくれないんです。
このあたりの塩梅が難しいところ。
エナメル塗料(溶剤なし)だけだとモールド(溝)には上手く流れていってくれません。
やはり、溶剤で薄めることになります。
かといって、薄めすぎて溶剤の容量が増えれば、ひび割れのリスクも上がる、ということになります。
ではどうすればよいか?
その対策は以下に続きます。
エナメル塗料のひび割れ対策
わたくしはスミ入れ塗料を使って、ひび割れしたことはありません。
キチンとエナメル塗料の溶剤の特性を理解して、対策を講じればひび割れることもほぼないからです。
このあたりを理解にするには、まずはひび割れする要因の理解。
ひび割れの主な要因は2つ。
ひび割れ要因1)パーツに強い力が加えられている部分への浸透
昨今のガンプラは、接着剤いらずでパーツ同士をハメ込むことができます。
そのハメ込むとき「グっ」と強くハメ込んだりしますよね。
これはダボを凹み部分に強く「グッ」と押し込んでいることになります。
※ダボについては過去記事をご覧くださいませ。
素組みガンプラをキレイに仕上げる加工術!ダボ処理の2つのメリット!
このときは、パーツには強い力がかかってます。
これ、パーツに対して「テンションがかかる」なんていったりします。
▲ダボ穴にグッと押し込む。
ガンプラで、テンションがかかってるところといえば、
- 強くハメ込んである部分
- 間接部分のような箇所
ってなところですね。
これらの箇所はパーツ的には強い張力が働いています。
はい、前置きが長くなりました。
要するに、テンションがかかっている箇所に溶剤で薄めたエナメル塗料を流し込んだりするとひび割れしてしまうことがあります。
これを理解していれば、ひび割れをかなり減らせます。
ひび割れ要因2)パーツに多量のスミ入れ
上記のひび割れ要因がわかれば、おのずと多量にエナメル塗料を使ったらひび割れてしまうかも?というのがわかります。
エナメル塗料のひび割れ対策2つ
ひび割れ要因が2つなら、対策も2つ
- 強いテンションがかかっている箇所にスミ入れしない
- 多量にスミを流し込まない
先述しましたが、わたくしはタミヤのスミ入れ塗料を使ってスミ入れをしてひび割れたことはまだ一度もありません。
HGブグのときも、パイプ箇所なんかは多量のスミを流し込みました。
ですが、ヒビ割れることはなかったですねぇ。
ガンプラ初心者が素組みのスミ入れをキレイに流し込むためのひと工夫
さらにひび割れ対策を盤石にしたい、という場合は別記事にまとめましたのでそちらを参考にしてください。
パーツを割る犯人はエナメル塗料か溶剤か?検証したら結果が大差に?!
スミ入れ塗料使用上の5つの注意点
エナメル塗料と溶剤の特性を理解すれば、「スミ入れ塗料」の失敗リスクも最小限でスミ入れ出来ます。
さらに念のため、「スミ入れ塗料」を使用する上での使用上の注意点をまとめておきます。
- 使用する場所に気をつける
- 重ね塗りについて
- 撹拌について
- 溶剤で薄める
- ハミ出した部分のふき取りについて
以下、注意点それぞれの詳細です。
スミ入れ塗料使用上の注意点1)
使用する場所に気をつける
先述した内容とかぶりますが、大事なことなのでもう1度。
瓶の横のラベルを見てみると、赤文字で記載されている部分があります。
赤文字の部分には2つのことが書かれてますので1つずつ見ていきましょう。
まず1つめ。
これがまさに冒頭から書いてきたエナメル塗料とその溶剤の特徴のことですね!
エナメル塗料の溶剤、樹脂(プラスチック)をもろくさせてしまう特徴あり。
この「スミ入れ塗料」は最初からスミ入れに適した濃度に薄められています。
「スミ入れ塗料」のwebサイトにもそのことが記載されてますよ。
あらかじめスミ入れに適した濃度に薄められているので、ビンを振って塗料をかき混ぜたら、キャップに付いた筆ですぐに作業スタート。
引用:スミ入れ塗料 各種
要するに、タミヤのスミ入れ塗料の特徴は
「エナメル塗料で薄めておきました」
ってな製品なんですね(甘栗むいちゃいました、的なw)
そのような便利な「スミ入れ塗料」だけども、使用する場所には気をつけましょう、ってな事です。
スミ入れ塗料使用上の注意点2)
重ね塗りについて
ラベルの赤字部分をさらに読み進めます。
ってな事が書いてありますね。
塗料を重ね塗りした場合、その組み合わせ次第で下地の塗料を溶かすこともある、ってことです。
塗料の重ね塗りについては過去記事にも書きましたけど、エナメル塗料といえど、下地の塗料次第ではその塗料を溶かす場合もある・・・。
スミ入れとつや消しでややこしい重ね塗り関係をスッと理解するための塗料基礎知識を2つにまとめた
重ね塗りの関係を忘れて塗装しちゃうと、下地塗料を溶かしてしまいますね。
さらにラベルの使用上の注意を読んでみると
「エナメル塗料の上に使用しないでください」
とあります。
つまり
「エナメル塗料の上にこのエナメル塗料を重ね塗りしないでね」
ってことですね。
「下地の塗料を溶かす場合があります」
って書いてあったのは、これにもつながるワケです。
完全乾燥すれば大丈夫そうな気もしますが、ちょいとリスキー(そういう場合は、一度ジャンクパーツとかで試してみるとイイですね)。
これはエナメル塗料に限らず、どの種類の塗料も同じ塗料を重ね塗りする場合は注意が必要です。
スミ入れ塗料使用上の注意点3)
撹拌について
さらに瓶の注意書きを読み進めますと
「ふたが閉まっていることを確認し、よく振ってください。塗料が底にたまっている場合は調色スティックでかき混ぜます。」
と書いてあります。
このスミ入れ塗料は塗料を溶剤で薄めてくれているモノですから、使ってないときは塗料が下の方に沈殿してます。
なので、よ~く振って撹拌(かき混ぜる)させます。
このことを踏まえ、スミ入れ作業の途中、たまに瓶を振ってあげないといけません。
時間経過とともに塗料が沈殿していってしまうので。
スミ入れ塗料使用上の注意4)
溶剤で薄める
「塗料が濃くなったときは、溶剤X-20で薄めてください」
とあります。
これは使っているウチに溶剤がなくなっていため(揮発)。
結果、エナメル塗料の方が多く残ってしまって濃くなってしまうからですね。
溶剤はたくさん使うでしょうから、もう最初から大きいのを購入するってのもアリですね(むしろその方がイイです)。
何度も書いてますが溶剤はプラスチックをもろくさせてしまう特徴あり。
ひび割れ要因のひとつです。溶剤での薄めすぎに注意です。
スミ入れ塗料使用上の注意点5)
ハミ出した部分のふき取りについて
最後に
「はみ出した部分は乾いてから綿棒にX-20を少し染み込ませてふき取ります」
とあります。
このふき取り作業は、細い綿棒があると便利です。
わたくしはタミヤの「クラフト綿棒 三角 Sサイズ」を使っています。
ともて便利(これは本当に便利でオススメ。ケチらないで使って欲しいw)。
普通の綿棒だと、太すぎてパーツの細かいところに入ったスミを拭けない。
そして、安価の綿棒だと繊維がパーツについてしまう。
そんなこともあり、普通の綿棒よりお値段が少々高くなっても「クラフト綿棒 三角 Sサイズ」を使うようにしてます。
▲マテリアル選びで作業の失敗リスクを減らすなら迷わずコレ。
それと、綿棒に染み込ませる溶剤のX-20の量はホントに少しずつの方がいいです。
溶剤を少しずつだすのに便利なのが「アズワン ハンドラップ」です。
上皿に余った溶剤もフタをしておけば揮発しないしね(とはいえ、2時間とか長時間経つと揮発しちゃいますがw)。
慣れてくると、ホントにちょびっとだけ適量出すことも出来るようになります。
ハンドラップレビューはこちら
【ハンドラップレビュー】少量の液体が出せる!スミ入れ作業超効率化!
スミ入れ塗料|まとめ
長々と書いてきましたが、エナメル塗料の本質がわかれば、「スミ入れ塗料」の使い方も自然にわかってきます。
特に、以下の2点に注意しておけば、恐れることはない。
- 強いテンションがかかっている箇所にスミ入れしない
- 多量にスミを流し込まない
「スミ入れ塗料」は溶剤で薄めてあるから、瓶を振って中身をかき混ぜればすぐに使えます。
とても便利。
カラーラインナップも豊富だし。
白い機体のガンダムには、ブラックは目立ちすぎるのでダークグレイが良さげ。
今回の記事が、ガンプラのスミ入れを楽しむ一助となれば幸いでございます(^_^)
あのモビルスーツが1位?
Amazonガンプラストアの売れ筋ランキングはこちら
アナタのまだ知らないガンプラ道具があるかも?!
AmazonのGSIクレオスストアはこちら
ブログ更新をTwitterでお知らせ♪
ガンプラ道具の便利な使い方なんかもツイートします♪
フォローをよろしくお願いします(^^)
がく@oskgaku