


ガンプラを始めたばかりの頃、スミ入れやってみようかなぁ、とは思ったんです。
でも、何を使えばいいのかさっぱりわからない、ってことがありましてね。
色々調べていくうち、スミ入れにはタミヤの
「スミ入れ塗料」
が初心者にも扱いやすくて良さげとわかってきました。
しかし、いざ使ってみようと思ってもどうやって使っていいのかよくわからずw
そんな経験がありましたので、今回はガンプラ初心者向けに、タミヤの「スミ入れ塗料」の使い方についてです。
スミ入れ塗料の瓶に記載されている「使用上の注意」から解説してみますよ。
たいしたガンプラ製作技術もないわたくしが、エラそうに使い方を解説なんかしちゃってスミマセン(^_^;)
まぁ参考程度に読んでいただければ幸いです~。
- スミ入れ塗料
- 溶剤X-20
- クラフト綿棒 三角 Sサイズ
目次
タミヤスミ入れ塗料はエナメル塗料
そもそも、タミヤの「スミ入れ塗料」って「普通の塗料と何が違うの?」って感じですよね。
結論を先に申し上げますと、タミヤの「スミ入れ塗料」は
エナメル塗料を溶剤(薄め液)で薄めてある製品
です。
エナメル塗料?溶剤?それ何やねん?って感じですよね、スミマセン(^^;)
詳細は後述していきますが、エナメル塗料を溶剤で薄めると、スィ~っと綺麗にエナメル塗料が伸びます。
なので、その性質を使ってスミ入れするワケです。
でも、いちいちエナメル塗料を小皿なんかにだして、溶剤で薄めるのも面倒ですよね。
だったらあからじめエナメル塗料を薄めておいてくれればエエやないけ。
という事でこの「スミ入れ塗料」が登場するワケです(そういう流れでタミヤが開発したと思われます、たぶんw)。
スミ入れ塗料にはエナメル塗料が入っている
まずは瓶の横のラベルを見てみましょう。「エナメル塗料」と書いてあります。
これが先述したエナメル塗料です。溶剤でほとんど薄められてないノーマルなエナメル塗料。
このエナメル塗料で塗装をして、ハミ出したりして失敗した時に拭き取りたいよ~、って時に登場するのが溶剤です。
タミヤの「スミ入れ塗料」の詳細を知るには「エナメル塗料」とエナメル塗料の「溶剤」について知ればグッと理解が深まると思うんですよ。
ってなことで、タミヤ製品「スミ入れ塗料」の話しの前に、ちょっと横道にそれまして、「エナメル塗料」と「溶剤」の話をしていきます。
まずは「エナメル塗料」について。
エナメル塗料の特徴
エナメル塗料の話、とは言いつつも、わたくし、塗料メーカーの人間でもなければ研究者でもないwww
詳細な成分とかはよくわらんですけども、まぁとりあえずは困ったときのwikipediaさん(笑)
タミヤカラーをwikipediaで調べると、タミヤカラーでのエナメル塗料の説明が記載されております。
事実上、国産唯一の模型用エナメル塗料である。アクリル塗料より筆の伸びが良く発色も良好、また乾燥時間が長いのでムラが出にくく、綺麗な光沢面が出せるが、耐候性に弱く塗膜が剥がれやすい。下地に塗ったアクリル塗料の塗膜にほとんど影響を与えないので、重ね塗りが簡単である。また溶剤で粘性がなくなるくらいに薄めた塗料を流し、模型の凹凸を表現するスミ入れ(ウォッシング、シェイディング)にも良く用いられ、スミ入れ塗料用として予め薄められた専用品も4色ほどある。ただしガンプラ等のスミ入れに使用した際に、溶剤の浸透によりプラスチックが劣化し、ひびが入る等の事態も生じている。
ふむふむ。その他、ググったり、本なんかを読んで色々と調べて、自分で使ってみた感じで、エナメル塗料の特徴をまとめてみました。
→伸び、発色が良い
→筆ムラがでにくい
・下地の塗料を侵しにくい
・乾燥には時間がかかる
・スミ入れ向き(溶剤で薄める)
・溶剤の浸透でパーツが破損(ひび割れ等)してしまうこともある
伸び・発色が良い、下地の塗料を侵しにくい、ってのはよく聞きますね。そういう特性もあって、スミ入れに向いている塗料、ということなんですね。
エナメル塗料はパーツを割ってしまう事も?!
ただ、気になるのが最後の
「溶剤の浸透でパーツが破損(ひび割れ等)してしまうこともある」
という部分です。
エナメル塗料でスミ入れするとき、そのままだといくら伸びがよい塗料といっても、モールド(溝)には上手く流れていってくれません。
なので、溶剤で薄めることになります。
そのため、塗料に合わせた専用の溶剤で薄めて使ったりします。
溶剤は薄めるだけではなくて、エナメル塗料がハミだしたりしたら拭き取る時にも使います。
このエナメル塗料の溶剤、その性質として、パーツに浸透すると劣化してヒビが入ったり割れてしまうことがあるそうなんです。
マ、マジか~(^_^;)
エナメル塗料のヒビ割れ対策
まぁもちろん絶対にヒビ割れする、ってことではないと思いますが、割れるときの主な要因は2つあるようです。
ヒビ割れ要因1)パーツに強い力が加えられている部分への浸透
今のガンプラは接着剤いらずでパーツ同士をハメ込むことができますが、ハメ込むとき「グっ」と強くハメ込んだりしますよね。
これはダボを凹み部分に強く「グッ」と押し込んでいますよね。
※ダボについては過去記事をご覧くださいませ。
素組みガンプラをキレイに仕上げる加工術!ダボ処理の2つのメリット! このときパーツには強い力がかかっているワケです。こういうの、プラモデル用語(?)としてはパーツに「テンションがかかる」なんていったりします。
ガンプラでテンションがかかってるところといえば、
- 強くハメ込んである部分
- 間接部分のような箇所
ってなところですかね。
これらの箇所はパーツ的には強い張力が働いているでしょうから、そういうところに溶剤で薄めたエナメル塗料を流し込んだりするとヒビ割れしてしまうこともあるのかも、ですね。
ヒビ割れ要因2)パーツに多量のスミ入れ
エナメル塗料を溶剤で薄めたものを多量にパーツに流し込んだりすれば、ヒビ割れの可能性は高まりますよね。
ということで、結局のところ、溶剤で薄めたエナメル塗料を使ってスミ入れするときはどうすればいいのか?ってことですが、主な対策としては以下の2点かと!
- 強いテンションがかかっているような箇所にスミ入れしない
- 多量にスミを流し込まない
というあたりですね!
とは言いつつ、わたくし、タミヤのスミ入れ塗料を使ってスミ入れをして、ヒビ割れたことはまだ一度もありません(まぁまだ経験値は浅いですけどw)。



HGブグのときも、パイプ箇所なんかは多量のスミを流し込んでしまいましたが、ヒビ割れることはなかったですねぇ。
ガンプラ初心者が素組みのスミ入れをキレイに流し込むためのひと工夫
パイプの箇所は柔軟性がありますから、そういう材質的な要素でヒビ割れないのかもですが、ともかく、スミ入れでヒビ割れたことは一度もないですねぇ・・・。



スミ入れ塗料使用上の5つの注意点
ここまでエナメル塗料とその溶剤について書いてきましたが、多少なりとも理解していただけたでしょうか?
エナメル塗料とその溶剤の特性がわかってくれば、タミヤの「スミ入れ塗料」使い方も自然とわかってくるハズですね。
とはいえ、一応、「スミ入れ塗料」を使用する上での使用上の注意点をまとめてみますよ。
ってことで、ようやくタミヤ製品「スミ入れ塗料」の話しに戻ります。
スミ入れ塗料使用上の注意1)
使用する場所に気をつける
先述した内容とかぶりますが、あえて書きます。大事な事は何度言ってもエエんやw
瓶の横のラベルを見てみると、赤文字で記載されている部分があります。
赤文字の部分には2つのことが書かれてますので1つずつ見ていきましょう。
まず1つめ。
これがまさに冒頭から書いてきたエナメル塗料とその溶剤の特徴のことですね!
この「スミ入れ塗料」は最初からスミ入れに適した濃度に薄められています。「スミ入れ塗料」のwebサイトにもそのことが記載されてますよ。
あらかじめスミ入れに適した濃度に薄められているので、ビンを振って塗料をかき混ぜたら、キャップに付いた筆ですぐに作業スタート。
引用:スミ入れ塗料 各種
まぁ要するに、タミヤのスミ入れ塗料は
「エナメル塗料、薄めておきました」
ってな製品なんですね(甘栗むいちゃいました、的なw)
そのような便利な「スミ入れ塗料」ですが、使用する場所には気をつけましょう、ってな事ですね。
スミ入れ塗料使用上の注意2)
重ね塗りについて
赤字部分をさらに読み進めます。
ってな事が書いてありますね。
塗料は重ね塗りしますと、その組み合わせ次第で下地の塗料を溶かすこともある、ってことです。
塗料の重ね塗りについては以前のブログにも書きましたけど、エナメル塗料といえども、下地の塗料次第では、下地の塗料を溶かす場合もあるワケなんですよ・・・。
スミ入れとつや消しでややこしい重ね塗り関係をスッと理解するための塗料基礎知識を2つにまとめた 重ね塗りの関係を忘れて塗装しちゃうと、下地塗料を溶かしたりしちゃいますね。
使用上の注意を読んでみると
「エナメル塗料の上に使用しないでください」
とあります。
要するに
「エナメル塗料の上にこのエナメル塗料を重ね塗りしないでね」
ってことですね。
「下地の塗料を溶かす場合があります」
って書いてあったのは、これにもつながるワケです。
エナメル塗料で塗装したパーツ表面に、さらにエナメル塗料で塗装すると、下のエナメル塗料を溶かしてしまうことがあるそうなんです。
完全乾燥すれば大丈夫そうな気もしますが、ちょいとリスキーかなぁ(そういう場合は、一度ジャンクパーツとかで試してみるとイイですね)。
これはエナメル塗料に限らず、どの種類の塗料も、同じ塗料を重ね塗りっての注意が必要かもです。
スミ入れ塗料使用上の注意3)
撹拌について
さらに瓶の注意書きを読み進めますと
「ふたが閉まっていることを確認し、よく振ってください。塗料が底にたまっている場合は調色スティックでかき混ぜます。」
と書いてあります。
まぁそのままですね。このスミ入れ塗料は塗料を溶剤で薄めてくれているモノですから、使ってないときは塗料が下の方に沈殿してます。
なので、よ~く振って、撹拌(かき混ぜる)させる、ってことですね。
なので、スミ入れ作業の途中、たまに瓶を振ってあげないといけませんです(時間経過とともに塗料が沈殿していってしまうので)。
スミ入れ塗料使用上の注意4)
溶剤で薄める
「塗料が濃くなったときは、溶剤X-20で薄めてください」
とありますが、これは使っているウチに溶剤がなくなっていき、塗料の方が多く残ってしまって濃くなってしまう、ということですね。
ちなみに、溶剤X-20というのはこれですよ(先述しましたが)。
あと、補足なんですけども、溶剤をちょっとずつ使う場合、一々塗料皿に出すのって面倒じゃないですか?
上皿に余った溶剤もフタをしておけば揮発しないしね(とはいえ、2時間とか長時間経つと揮発しちゃいますがw)。
ハンドラップレビューはこちら
【ハンドラップレビュー】少量の液体が出せる!スミ入れ作業超効率化!
慣れてくると、ホントにちょびっとだけ適量出すことも出来るようになります。
モデラーで愛用している方々もいらっしゃるご様子。
墨入れやウェザリング時に使っているのがコレ、ハンドラップという入れ物です。
ポンプになっていて、上のお皿を押すと中身が出てくる仕組みです。コレにエナメル溶剤を入れて綿棒やペーパーウエスに染み込ませて拭き取り作業時に使用しています。
とても便利なのでオススメですよ。 pic.twitter.com/ikYU9DiBlL— らっす (@chipstar14) 2018年5月30日
エナメル溶剤入れにハンドラップなるものを使いだしたけどめっちゃ便利!
でもちょっとでかい
安定性はいいけどー pic.twitter.com/LH2YpcF5FK— バンビ@ナイチンゲール (@MGHGbambisan) 2018年7月4日
スミ入れ塗料使用上の注意5)
ハミ出した部分のふき取りについて
最後に
「はみ出した部分は乾いてから綿棒にX-20を少し染み込ませてふき取ります」
とあります。
このふき取り作業は細い綿棒があると便利です。
わたくしはタミヤの「クラフト綿棒 三角 Sサイズ」をという綿棒を使っていますがかなり便利ですよ。
なので、普通の綿棒よりお値段が少々高くなっても「クラフト綿棒 三角 Sサイズ」を使うようにしてます。
それと、綿棒に染み込ませる溶剤のX-20の量はホントに少しずつの方がいいです。染み込ませすぎると、パーツにドバっといってしまい、スミが全部消えます(^_^;)
とはいえ、少しってどれくらいやねん、って話しですよね。
なので、わたくしはまず綿棒をX-20にダンクしまして、X-20のフチに押し付けて余分なX-20を絞りだし、さらに指でギュッって絞ってます(笑)
まぁ手は汚れますけど、綿棒に適度なX-20を染み込ませることができますよ。
まとめ
なんか色々と書いてきちゃいましたが、エナメル塗料の本質がわかれば、「スミ入れ塗料」の使い方も自然にわかってきますよね~。
でも、ガンプラ初心者さんで、なんかもうよくわかんない!ボクは塗装はしない!素組みだい!ってひとは以前ブログ記事でも書いたとおりガンダムマーカー「流し込みスミいれペン(流し込みタイプ<素組み用>)」でよいと思います。
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いやぁボクは塗装を始めたし、パーツの細かいところまでスミを流し込みたいのさ!ってひとはタミヤの「スミ入れ塗料」、ってことで。
だって、
ガンプラに正解はないんやで!(←ドヤ顔)
わたくしは両方使ったりしてます。なんだかんだでガンダムマーカーもスミ入れ塗料もケースバイケースで使ったりしますよ(たぶん)。
まぁ失敗したら失敗したで、「これが失敗という事がわかった」という成功です(笑)
ということで、スミ入れを楽しむ一助となれば幸いでございます(^_^)
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